原岡桟橋の現在|立入禁止・撤去された?行き方や駐車場も紹介


映画のロケ地になったり、CMの撮影でも有名になった千葉県南房総市の原岡桟橋。
知名度が上がる一方で、”立入禁止”や”閉鎖された”、”撤去”という噂も見かけるようになりました。
この記事では、原岡桟橋の立入禁止疑惑の真相や2023年現在の様子、現地への行き方や駐車場について紹介します。

原岡桟橋は立入禁止?閉鎖されたの?

”立入禁止になった””閉鎖された”という噂が絶えない原岡桟橋。
一部では、”撤去された”とまで云われていますが…
実際に私が見に行った際の写真がこちら。

2023年8月現在も従来通り観光することが出来ます。
砂浜から真っ直ぐに伸びた桟橋と、今ではあまり見かけなくなった白熱電球が印象的ですよね。

原岡桟橋の”立入禁止”や”撤去”の噂が飛びかうのには何か訳があるのでしょうか?
調べてみると2つの理由がありました。

ひとつ目は、原岡桟橋によく似た設備がここ数年で相次いで閉鎖されたことにあるようです。
その”原岡桟橋によく似た設備”が『海中電柱』。
名前の通り、海面からニョキっと突き出た電柱です。

少し見辛いですが、今でも残る海中電柱がこちら。

3Dモードで見ると、沖合に向かって一直線に電信柱が並んでいるのが分かります。
この海中電柱の正体は、沖合にある密漁監視小屋への送電線の支柱。
原岡桟橋の所在地と同じ。
千葉県内の3か所の漁場に設置されていました。

海中電柱の歴史は古く、最初に作られたのは1985年前後。
東京湾沿いで遠浅の海が広がる千葉県の牛込海岸~江川海岸は、当時から県内有数の漁業スポットでした。
それだけに密漁に悩まされることも多かったようです。
特に夜間の密漁が多く、これを取り締まるために海上に小屋を建てて、サーチライトで照らして見張っていた時期もあったのだとか。
その監視小屋に電力を供給するのが、海中電柱の役割でした。

今でも木更津市にある金田さざなみ公園からは、牛込海岸にあった監視所跡を見ることが出来ます。

時代は下り、現在では沿岸部に赤外線防犯カメラが設置されたことで、監視小屋もその役目を終えました。
これに伴って、2019年には江川海岸が。
2023年には牛込海岸の海中電柱が撤去されました。
(検索すると、2023年4月に牛込海岸の海中電柱を撮影された方の写真がSNSで見つかりました。私が牛込海岸の監視所を撮影したのが同年の7月。その際には電柱は撤去済みだったので、同年の5月か6月に撤去されたのだと思います。

原岡桟橋も海中電柱も、浜辺から沖に向かって一直線に電柱(電灯)が立ち並ぶ姿が似ています。
また、所在地に関しても、千葉県の内房という点で共通。
ここ数年で外観のよく似た『海中電柱』が相次いで撤去された際に、ニュースを目にした人が『原岡桟橋』に関する記事と誤認。
SNSを中心に、”原岡桟橋が撤去された””立入禁止になった”という噂が広まった
、というのが事態の真相のようです。

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”立入禁止”や”撤去”が噂されているふたつ目の理由は、過去に数回、実際に原岡桟橋が閉鎖されたことがあったからです。
国内でも数少ない木製桟橋として有名な原岡桟橋。
波に洗われる木目模様とレトロなデザインの照明が情緒あふれる景色を作り出しています。
一方で、台風や波浪に弱いという弱点もあります。

2017年には10月~11月は台風21号の影響で木製部分を補修するため一時閉鎖。
翌3月には、同じ台風で損壊したコンクリート部分修復のため、再び一部を閉鎖。8月には電灯を修理。
そして、2020年4月には新型コロナウイルスの影響もあり、またまた一時閉鎖の憂き目に遭いました。
こうした、”修理に伴う一時閉鎖”のニュースが出た際に、”撤去”という噂が独り歩きしてしまったようです。

原岡桟橋が最初に出来たのは大正時代といわれています。
大正の最後の年が1926年(大正15年)ですから、およそ100年前に出来ていたことになりますね。
常に潮風に晒されているため、どうしても傷んだ箇所が出てくるのでしょう。
以来、修復を重ねて今日まで維持してきた地元の方の努力には、本当に頭が下がる思いです。

ちなみに、原岡桟橋の開放状況は千葉県南房総市が運営する「いいとこどり 南房総」で発表されています。
台風シーズンの直後などは、臨時修理が発生することもありますから、お出かけ前に必ず確認するようにしましょう。

原岡桟橋への行き方と無料駐車場

映画『きみと、波にのれたら』のロケ地(アニメだったので正確にはモデル地)として登場したり、最近では人気Youtubeチャンネル『とったび』で紹介されたことから全国区で知名度の上がってきた原岡桟橋。
沢山の方が”聖地巡礼”を目指すようですが…
SNSを覗くと”途中で道に迷いまくった””場所が滅茶苦茶分かりにくい”といった感想が散見されました。

元々、原岡桟橋は地元の漁港の水揚げ用に設置された設備。
観光用に作られた施設ではないため、観光客のアクセスは考慮されていません。
見に行くには港町特有の狭い道路を抜けていく必要があります。
私も実際に行きましたが、「道がものすごく狭いなぁ」というのが素直な感想です。地元の方、スミマセン汗)

電車の場合、最寄り駅はJR内房線の富浦駅。
徒歩約10分で原岡桟橋に到着します。

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自動車やバイクの場合、東関東自動車道館山線の終点である富浦ICからアクセスするのが便利。
(下道からもアクセスできないわけではありませんが、曲がりくねった峠道を走る必要があるので、あまりおすすめしません。)
富浦料金所を降りたら、最初のT字路を右折します(『房総の駅 とみうら』が目印)。

右折したら道なりに約1.6km直進。
『多田良』交差点を右折します。

ここから道に迷いやすいので要注意!
交差点を右折したら250mほど直進。
青色の看板が見えてきたら、左折します。

『この道路の、南無谷~高崎間は…』という大きな看板が目印です。

左折したら、港に出るまで直進。
(道幅が車1台がやっと通れるくらいの狭い道路です。車の運転が苦手な方は注意してください。)

港に出たら、突き当たりを右折します。

ちなみに、写真の右側に映っているのが原岡桟橋。ゴールは目の前です!

まっすぐ進んでいくと、原岡桟橋に到着。
写真の右側が駐車場です。

公式サイトでは駐車スペースは20台分と紹介されていますが、実際は10台強かと思います。
また、地面はかなり凹凸のある砂浜なので車高の低い車は注意してください。

ちなみに、駐車場は海岸線のすぐ側。

バイクで波打ち際を走れるのは、日本国内で唯一、石川県羽咋郡の『千里浜なぎさドライブウェイ』だけですが…
『原岡桟橋』駐車場も波打ち際気分を楽しめます。

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原岡桟橋で釣りはできる?おすすめの撮影スポットは?

原岡桟橋では釣りもできます。
近くのコンビニにはマリンレジャー用品の他、ルアーやロッドまで売られていました。
忘れ物をしたときなど、現地で道具を買い足せるはありがたいですね。
ただし、漁港の近くですので、釣り具に規制が掛かっている場合があります。
事前に現地のレギュレーションを必ず確認してください。

原岡桟橋観光におすすめの時間帯と注意点

観光目的で原岡桟橋を訪れる場合。
一般的には、砂浜から突堤に向かって撮影された下のような写真が多いですが…

桟橋を見る場所やタイミングで様々な表情を見せてくれます。
私は、写真ファンの方と撮影タイミングが重ならないよう夜明け前に行ってみました。
その時に撮影した写真がこちら。

露光の調整など拙い部分がありますが、桟橋の電灯が海面に反射する姿は幻想的。
桟橋を歩いて行くと、この日は満月だったこともあり月明りも反射していました。
真っ暗な海に囲まれる孤独感と恐怖感。
それでいて、宇宙に一人で放り出されたような安堵感。
不思議な体験でした。

夜が明けてくると、原岡桟橋の全貌が見えてきます。
せっかくなので、突堤まで歩いてみることにしました。

原岡桟橋は”全国でも数少ない木製桟橋”として有名ですが、すべてが木製という訳ではありません。
度重なる修復作業によって、コンクリート部分と木製部分が交互に現れます。

また、一部では”全長500m”という情報もありますが…
実物を目にすると、かなり疑わしい気がしてきます。
Googleアースで測ると、長くても170m程度。
実際に歩いてみても、150m前後であるように感じました。

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砂浜部分はコンクリート製ですが、しばらく進むと木製部分に到着。
板材を交互に渡してあるため、隙間からは海面が見えます。

苦手な方はあまり下を見ない方がいいかも(とはいえ、足元には十分ご注意を。特に、ヒールなど踵の細い靴は避けた方が無難です)。
補修がつい最近ということもあってか、木材自体は比較的新しい様子。
特に傷んでいる箇所もなかったので安心して歩けます。

そのまま進んでいくと、今度は再びコンクリート部分に到着。
雨風と塩分に晒されてか、大きくひび割れています。

ここからさらに沖合に向かって行くと…
何やら足元で小さい行くものが動いています。
”フナ虫とかだったら嫌だなぁ💦”と内心ドキドキしながらカメラを向けてみると…

ファインダーの先には小さなカニの群れが暮らしていました。
漁港特有の豊富な水産資源が窺えますね。

さらに突堤に向かって進んでいくと、原岡桟橋の終点に到着。
雲の向こうにうっすらと富士山が見えました。

ちなみに私が訪問したのが満潮のタイミング。
見ての通り、満潮時は桟橋と同じ高さまで潮が押し寄せ、突堤全体が波で洗われています。
転落防止のフェンスなどは一切ないので、小さなお子様と一緒に遊びに行くときは水難事故が起きないよう十分にご注意ください。
(これはこれで、干潮時には楽しめない原岡桟橋の別の表情を楽しむことが出来るので、興味のある方はタイミングを図って行ってみるのも良いかもしれません。)
 

突堤まで行ったら、今度は浜辺側に戻ります。

朝焼けを背景に黒いシルエットと化した住宅街と漁村。
さらに、海全体が朝焼けよってオレンジ色に染めあげられていく様子も、思わず息をのむ美しさでした。
(改めてみると、漏斗型の電球カバーとそれを支えるアーチ型の支柱。さらには白熱電球が昭和的なノスタルジーを感じさせてくれますね。)

最後に、原岡桟橋巡りで気を付けたいのが時々押し寄せてくる、お化け波。
木製部分からコンクリート部分に波が押し寄せて来る際に、繋ぎ目からすごい勢いで海水が吹き上がってきます。

運悪く継ぎ目を歩いていたところ、膝下とスニーカーが海水まみれになりました。
訪問する際は、ビーチサンダルとハーフパンツを着てくるのが良いでしょう。
また、事前に満潮時間を調べておくことを強くお勧めします。

原岡桟橋は交通の便があまり良くないのが玉にキズ。
ですが、実際に足を運んでみると普段の生活では目に出来ない不思議な景色が広がっています。
近くには道の駅も数軒あるので、地元の海の幸を食べ比べてみるのも面白いかもしれません。
素敵な夏の思い出作りに、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね♪

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