焼肉店遊輪のバイトテロの犯人は誰?被害店舗は特定された?


2024年4月3日
飲食店(焼肉店?」)の厨房と思しき場所で、店舗スタッフ男性が口に含んだドリンクを霧状に噴射する動画が拡散され物議を醸しています。
男性が誰なのか、正体や被害に遭った店舗が特定されたのか情報を調べてみました。

焼肉店遊輪のバイトテロの犯人は誰?

世間の関心を集めることとなった今回の動画がこちら。


厨房でドリンクを口にした後、霧状に噴射しているのが分かります。
SNSでは”毒霧”とも揶揄され、非難の声が上がっている模様です。

現在では、動画に写り込んだ店舗の様子から犯人の男性が誰だったのか特定しようとする動きがありますが、確証が得られるような情報は見つかっていません。当サイトでも言及しません。

迷惑行為や犯罪行為の犯人とはいえ、氏名や住所は個人情報に該当します。慎重な取り扱いが必要ですね。

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焼肉店遊輪のバイトテロの被害店舗はどこ?

被害店舗は判明していませんが、『遊輪』の名称で運営されているのは柿生店、読売ランド店、SOCOLA若葉台店の3つ。
動画の投稿元のコメントでも”3店舗あります”と公表されています。

こうした事件では、利用客だけでなく店舗も被害者になりますね。

(4月5日追記)
七輪炭火焼肉 遊輪から公式発表がありました(こちら)。
発表によれば、今回の被害店舗は柿生店。
事案は4月1日に発生したそうです。
4月4日〜5日の2日間を臨時休業として徹底的に消毒を行ったとのこと。また、該当日に飲食した利用者に対しては返金対応に応じる予定とのことです。

焼肉店遊輪のバイトテロは何罪になるの?

今年になってからも山岡家の蓋ペロペロ事件や、ドミノピザの鼻ほじり事件などが世間を騒がせた迷惑行為。
最近では神戸大学のバドミントンサークル部員による、旅館での狼藉が物議を醸しました。
神戸大学【バドミントンサークル】特定された?犯人や被害旅館は見つかった?
ドミノピザ 鼻ほじり事件の犯人は誰?
ガストで塩一気飲みした犯人は特定された?

こうした事件で毎回論点になるのが、犯人が何罪になるのか?という疑問。
定番(というと語弊がありますが)の罪名として挙がるのが威力業務妨害罪です。

実務上、”威力”とは人の意思を制圧するに足りる勢力を示すこと、とされています。
過去には、以下のような事案で威力業務妨害の成立が認められています。

  • 営業中の商家の表をほとんど全面にわたって板囲いして看板、店灯などを街路から見えないようにし、玄関内、帳場、店の間など重要な各室内を暗黒にして営業に関する事務を不可能にしたとき(大審院 大正9年2月26日判決)
  • デパート食堂の配膳部に向かってシマヘビ20匹をまき散らし客と営業者に嫌忌畏怖の念を生じさせ、よって満員の食堂を大混乱に陥れる行為(大審院 昭和7年10月10日判決)
  • 競馬挙行を妨害する意図で馬場に幅約2メートル長さ120メートルにわたり平釘を約樽1杯分散布する行為(大審院 昭和12年2月27日判決)
  • 他人が耕作中の苗代田のあぜ2か所を各数尺にわたって鍬を用いて決壊させ、苗代田の水を放出させて稲田の生育を妨げること(広島高裁 昭和24年9月17日判決)
  • 工場内のモーター室において配電盤のスイッチを切り、織機320台の運転を止めること(大阪高裁 昭和26年10月22日判決)
  • 複数の漁協が共同で設立したイルカ対策協議会がイルカを漁業上有害な動物として捕獲し処理することは正当な業務であるから、動物愛護団体に所属する被告人が捕獲網のロープを切断するなどしてイルカ約300頭を逃走させた行為(長崎地裁佐世保支部 昭和55年5月30日判決)
  • 弁護士から、訴訟日誌、訴訟記録の存中する鞄を奪い取り、これを2か月余りの間自宅に隠匿する行為(最高裁 昭和59年3月23日)

どれも凄まじい内容ですね。

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ちなみに威力業務妨害罪は抽象的危険犯。
業務が現実に妨害されたか否かの認定はきわめて困難なことから、その成立には現実に業務が妨害されたことは必要とされません。

  • 本罪の成立には現に業務妨害の結果の発生を必要とせず、業務を妨害するに足りる行為があることで足りる(最高裁 昭和28年1月30日判決)

今回の事件でも、男性が噴出したドリンクが厨房の調理器具にかかっている様子が見てとれます。
一部では、食材にかかっているのでは?と指摘する声もありました。
動画を見た人は飲食店の利用をためらうでしょう。
結果として店舗の正当な営利活動の妨害にもつながりますから、過去の事案と同様に威力業務妨害として処理される可能性が高いのではないでしょうか。

また、さらに懸念されるのが器物損壊罪(刑法261条)です。
実務上、『”損壊”とは物質的に物の全部、一部を害し、又は、物の本来の効用を失わしめる行為をいう』こと、とされています(最高裁 昭和25年4月21日判決)。
過去には、以下のような事案で器物損壊罪の成立が認められています。

  • 盗難及び火災予防のため埋設貯蔵されているガソリン入りのドラム缶を発掘する行為(最高裁 昭和25年4月21日判決)
  • 営業上来客の飲食のように供すべき器物に放尿する行為(大審院 明治42年4月16日判決)
  • 養魚池の水門を開いて鯉を流出させる行為(大審院 明治44年2月27日判決)
  • 家屋を建設するため地ならしをした敷地を掘り起こして畑地とする行為は敷地の損壊に当たる(大審院 昭和4年10月14日判決)
  • 高校の校庭として利用されている土地に、「アパート建築現場」と書いた立札を揚げ、幅六間長さ二十間の範囲でに箇所に杭を打ち込み板付けをして、保健体育の授業その他に支障を生ぜしめたときは、該物件の効用を害するから本罪に当たる(最高裁 昭和35年12月27日判決)
  • 争議手段として。ビラ約六〇枚を会社事務所の窓や扉のガラスに洗濯糊で貼り付ける行為は、窓ガラスや扉のガラスとしての効用を著しく減損するものであるから本罪にあたる(最高裁 昭和46年3月23日判決)
  • 組合の看板を取り外す行為及び組合事務所に集荷された荷物から荷札を取り外す行為は、看板・荷札の本来の効用を喪失するに至らせたものであり、器物損壊に当たる(最高裁 昭和32年4月4日判決)
  • いわゆるコンピュータウイルスファイルをネットワーク上に公開し、これを音楽ファイル等と誤信した被害者に受信、実行させることで、同人のパソコン内蔵のハードディスクの読み出し機能と書き込み機能を容易に現状回復が困難な状態にすれば、ハードディスク本来の効用が害されたといえるから、ハードディスクは「損壊」されたものと認められる(東京地裁 平成23年7月20日判決)

物理的に壊していなくても、そのもの本来から得られたはずの効用を獲得できない状態にすると器物損壊罪が成立するのがポイントです。

心理的に使用不能にした場合にも成立しますから、『消毒すればまた使えるじゃないか』という反論は認められにくいといえるでしょう。

今回の事件でも、調理器具や什器も汚染されていれば、これまでの事案と同様に器物損壊罪も適用される余地があるかもしれませんね。

4月3日にの夜には4万回近くのインプレッションに到達しただけに、今後の推移が気になる事件でした。







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